シーラントについて

みなさんこんにちは、大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。

早いもので今年も残すところあと数日となりましたね。

 

先日、京都の清水寺で発表された今年の世相を表す漢字が「災」だったように、これまであまり経験したことのないような猛暑、西日本の豪雨や北海道の地震と自然災害が数多く発生し、良くないニュースばかりが続いた一年でしたね。そして平成を締めくくる年でもありました。皆さんにとって今年はどんな一年でしたか?

 

今年は、わたしにとって毎日が慌ただしくあっという間の一年でした。迎える新しい年は、少し落ち着いてのんびり過ごせる一年であるようにと願っています。

 

さて、今年最後のブログとなる今回は、お子さんの「シーラント」について書かせていただきたいと思います。

 

歯医者さんの待合室や受付のポスター、パンフレットで目にしたことがある方もいらっしゃると思いますが、「シーラント」は虫歯予防の一つの方法です。

 

前回のブログで取り上げた「仕上げ磨き」も虫歯予防の一つの方法であり、ブログでその必要性も説明させていただいたように、生えたばかりの歯は柔らかく虫歯になりやすい状態にあるため色々な予防手段が必要となります。特に永久歯の噛み合わせの要となる第一大臼歯(6歳臼歯)は乳歯列の奥に生えてくるため生え始めに気づくのが遅くなったり、噛み合わせの面の溝の形が複雑で汚れが溜まりやすい形になっていたり、そのうえ完全に生え終わるまで一年以上かかったりと悪条件が重なり虫歯のリスクが高まります。

 

大事な歯を虫歯から守るための処置の一つの「シーラント」は、ハブラシの毛先が届かないような歯の溝をきれいにした後に、レジン樹脂などでその溝をふさいで、食べ物のかすや細菌が入らないようにし虫歯を予防する方法です。

もちろん、麻酔の注射をしたり、歯を削ったりすることが無いため、お子さまも怖がらず安心して受けられる処置となります。

 

では、虫歯予防には必ず「シーラント」が必要なのでしょうか?

 

保険対象で、かつそこまで高価ではないシーラント処置は手軽に虫歯予防ができるという点で良いと言えますが、完全に虫歯を防ぐことができるというわけではありません。基本的な虫歯予防は、「規則正しい生活」・「食後のていねいな歯磨き」・「正しい食生活」、そして歯医者さんでの定期的な検診とご自身でお子さんの歯が虫歯にならないように日頃から心がけることだと思います。それにシーラントを加えて、虫歯を防いでいきましょう。

 

医療の発達などで人生100年時代と言われているなか、健康な状態で過ごすためには、良く「噛む」ことが大事であるとも言われています。「噛む」ために重要となる第一大臼歯が虫歯によって早い時期に無くなることがないように、お子さんの口内状態をチェックしてみてください。

 

【参考文献】

熊谷崇・秋元秀俊(2003)『「歯科」本音の治療がわかる本』法研.