歯石について

こんにちは、大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。

 

9月に入ると暑さも和らぎ、朝晩涼しくなって秋の気配を感じています。

最近大雨による水害や台風、地震等の災害が続いており、自然の恐ろしさを改めて感じる今日この頃です。

 

秋と言えば、もちろん“食欲の秋”ですよね。

ぶどう、梨、栗、柿、秋刀魚、さつまいもや鮭など、美味しいものを食べて夏の暑さで疲れた体を回復しましょう。

 

さて、今回のブログは歯石について書かせていただきたいと思います。

 

まず初めに、

 

歯石って何?

 

歯石とは、歯の表面についた硬いもので、唾液の中のカルシウムが歯垢(細菌の塊)にくっつき石灰化してできたものを言います。

初めは柔らかく、段々と固くなっていきます。歯と歯ぐきの境目より上に付いた歯石(縁上歯石)と、歯周炎(歯ぐきの炎症)により歯と歯ぐきの隙間の溝が深くなりその溝の中に付いた歯石(縁下歯石)とに分かれます。

縁上歯石は色が白っぽく直接自分で見ることができます。ちょっとの衝撃で取れることもあります。縁下歯石は歯ぐきの中に付いているため自分では見ることが難しく、縁上歯石より硬くて歯の表面にしっかりと付いているので自分では取ることができません。

 

次に、

 

歯石って誰にでも付くの?

 

上段で話したように、歯石は歯垢が硬くなってできたものであるため、磨き残しが原因で付きます。また、歯石ができるにはカルシウム等のミネラルが関係しているため、唾液の量が多い人や唾液の成分がアルカリ性に近い人などは歯石が付きやすいと言われています。ちゃんと磨いているのに歯石が付く人や磨き残しがあってもあまり歯石にならない人などはこのことが関係していると思われます。

 

それでは、

 

歯石がついたらどうすればいいの?

 

歯石が付いていると、表面がザラザラしているために歯垢が付きやすくなります。

歯垢は細菌の塊であるため、歯ぐきに腫れや出血などの炎症を起こしたり、細菌の増殖等により口臭の原因となるため、歯石を取ることが必要です。ドラックストアなどで歯石取りの器具が販売されているので自分で取る方もいらっしゃいますが、歯ぐきを傷つけたり、歯石を取った後のざらつきが取れずにそのままになってしまうと、また歯石が付きやすくなったりしますので、歯科医院での歯石取りをお薦めします。なかには、歯石を取った後で、「しみるようになった」という症状がでる方がいらっしゃいますが、これは歯石で隠れていた歯の根の部分が表に出てきて、冷たいものの刺激が歯の中の神経に伝わりやすくなるためであり、一時的なものと思われます。しかしながら、歯石取りで不安等がございましたら歯科医院で遠慮なくご相談下さい。定期的なクリーニングで健康な歯と歯ぐきを維持しましょう。

 

 

 

【参考文献】

熊谷崇・秋元秀俊(2003)『「歯科」本音の治療がわかる本』法研.