女性特有の歯周病のリスクについて

こんにちは!

大郷町歯科医院衛生士の伊藤です(^o^)/

今回は女性特有の歯周病のリスクについて、お話しをさせて頂きます!

 

◯思春期

女性であることは、それだけで歯周病のリスクがあると言えます。月経にともなって周期的に歯肉に炎症が起こりやすい人もいます。理屈では、プロゲステロン(女性ホルモンの一種の黄体ホルモン)が多くなると、歯肉に炎症を起こしやすくなるそうです。プロゲステロンは、排卵後から月経前までの時期に多く分泌されるので、月経の7~10日前に歯肉から出血しやすくなることがあるようです。また、女性の歯肉で特徴的に繁殖する細菌もいます。女性ホルモン(エストロゲン)を特に好んで繁殖する細菌で、この細菌も歯肉の炎症に関係しています。このような時期には普段よりも念入りにブラッシングをして、炎症を防ぎましょう!

◯妊娠期

子供を産むと歯が悪くなると昔から信じられきました。その確実な証拠はありませんが、女性特有のリスクがいろいろあることは事実です。妊娠中の女性の約30~70%の人は、歯肉の異常(腫れ、増殖、血が出やすい)を示しています。一般的に炎症が強いのは、妊娠初期から中期です。これはホルモンの影響で歯肉が炎症を起こしやすくなっているためだと考えられます。歯肉の炎症は、プラークコントロールによって防ぐことが出来ますが、つわりの時期(妊娠初期の5~15週)には食事が不規則になり、口の中の清掃も難しくなるので、炎症が悪化しやすいと言えるでしょう。また、妊娠中期になると、ホルモンの影響で歯肉に隠れた最近の種類も変化します。妊娠3ヶ月頃に歯肉が大きく腫れる例(妊娠性エプーリス)もあります。

◯閉経期

多くの女性は、月経周期が不順になる閉経期から閉経後(いわゆる更年期)にさまざまな体の不調を経験しますが、この時期に口の中の灼熱感を感じたり口が渇くと言う症状を訴える例があります。涙や唾液が出なくなるシェーグレン症候群と呼ばれる病気の発症も、この時期の女性に集中しています。粘膜が乾燥すると、たえず痛みや不快感に悩まされたり、唾液が少なくなると緩衝能や自浄作用の働きも少なくなるので、むし歯のリスクも高くなります。この時期に口が乾くからと言って、毎日のように飴を食べてしまい、急激にむし歯が増えてしまう例も少なくありません。口の中の乾燥が気になる場合は飴ではなく、唾液腺を刺激するガム(キシリトールを甘味料に使用しているもの)などを試してみると良いでしょう。

 

このように、女性には特有の歯周病のリスクがあります。女性はその時期にともなうリスクを把握し、ブラッシングや食生活にも注意をしていきましょう☆何かお口のことで心配なことがありましたら、いつでもご相談ください(^^)

(参考文献 「新版 歯科 本音の治療がわかる本(熊谷崇・秋本秀俊 著)」)