ライフステージごとのむし歯予防⑥高齢者

みなさん、こんにちは、

大郷町歯科医院、歯科衛生士の本田です。

今回で、このシリーズは最後になります。最後は高齢者のむし歯予防です。

高齢者とは、65歳以上の方です。65歳〜74歳を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者としています。

こちらの記事では年配の方とさせていただきます。

年配の方のむし歯予防のポイントは、根っこのむし歯です。

年配になると、ほとんどの方のお口の中は、処置歯が目立ちます。処置歯とは、むし歯の治療が済んでいる歯で、詰め物や、被せ物をしている歯のことです。

詰め物は、1回で終わる治療には、主にCRAFというものがあります。CRとは、コンポジットレジン充填の略で、言わば樹脂です。AFは歯科用水銀アマルガム充填の略で、現在は治療に使われていません。1990年ごろまで使われていたもので、今、お口の中にAFが詰めてある方は、30年以上前に治療したということになります。

また、型取りをして入れる詰め物は、Inと略され、インレーと読みます。材料は銀歯(金銀パラジウム合金)、レジン、保険外ですとセラミックなどあります。

被せ物は、主に銀歯と呼ばれるものは、Crと略されクラウンと呼びます。金銀パラジウム合金、チタン、セラミック、樹脂などがあります。

詰め物、被せ物によって、歯垢がつきやすいもの、つきにくいものがあります。樹脂は歯垢がつきやすく、セラミックはつきにくい性質を持ちます。これは、表面の塑像感により変わります。歯も同じで、表面がツルツルであれば歯垢がつきにくく、元々の歯の質や、糖質摂取の回数が多い方や糖質摂取の時間が長い方は歯の表面がむし歯に近くなりツルツルではないので歯垢がつきやすくなります。

現在だからこそ、むし歯の治療になると、詰め物や被せ物の種類は様々あり、患者さんご自身で選択することができます。年配の方からよくお聞きするのは、「昔は銀歯/金歯しかなかったからね〜」「治療が終わったら銀歯が入ってた」など、選択肢が少なかったそうです。

むし歯の治療をした歯は、むし歯にならないと思っていませんか?なんと、治療をした歯こそむし歯になりやすいのです。

特に、何回もむし歯になり、詰め物を繰り返した歯は、ついにはむし歯が神経まで達し、神経を取り根っこの治療をし、被せ物になってしまうのです。被せ物は、歯と歯ぐきの境目まで被せてあるので、被せたばかりだと、歯の部分は見えなくなります。しかし、次第に歯ぐきが下がり、最初に被せたときよりも歯ぐきが下がれば、歯の根っこの部分が見え始めます。本来歯の外側の層はエナメル質と言って、ヒトの身体で1番硬い組織で覆われています。その次の層は、象牙質といって、エナメル質ほど硬くはなく、むし歯になりなすいです。また、力強い歯磨きをすればエナメル質より削れる可能性が高いです。そうして、歯磨きをしっかりできていなければあっという間にむし歯になります。

歯の根っこがむし歯になると、むし歯が大きい場合、歯を抜くことになります。そもそも被せ物というのは、歯の根っこに土台を立てて被せているので、歯の根っこがなければ被せることができません。そして歯を抜いたら、次はいよいよ入れ歯になります。(場合によっては、ブリッジやインプラントが可能)

根っこのむし歯を予防するには、根っこのむし歯予防の歯磨き粉がおすすめです。主に研磨剤といってざらざらした成分が入っていないものや、ジェルタイプのものがあります。エナメル質より弱い象牙質を守るため、削る成分が入っていないものがおすすめです。また、硬い歯ブラシも根っこを削ってしまう可能性があるので、できれば避けましょう。

また、歯間ブラシは毎日通しましょう。たまに通しますとおっしゃる方が多いのですが、歯ブラシは毎日使うのに、歯間ブラシは毎日使わないのはなぜなのでしょうか?歯ブラシは表面を磨き、歯間ブラシは歯の間を磨きます。用途が違うので、どちらも毎日使う必要があります。

そして根っこのむし歯に早く気づくには、定期検診も重要です。お口の中に変化がないか、歯科医師、歯科衛生士に見てもらいましょう。

以上でライフステージごとのむし歯予防の方法シリーズを終わります。次は歯周病も記事を書こうかなと考えております。(^_^)