根っこのむし歯

みなさん、こんにちは!

大郷町歯科医院、歯科衛生士の本田です(^^)

さて今回は、根っこのむし歯についてお話ししていきます。

むし歯というと、一番イメージしやすいのが、奥歯の溝のむし歯や、歯と歯の間のむし歯ではないでしょうか。黒くなって、穴が開いて、痛みが出てというような感じです。

歯の根っこがむし歯になることはみなさん知っていますか?

これはとても気をつけなければなりません。根っこのむし歯は、差し歯など被せ物を入れた歯に起こりやすいのです。

大きなむし歯ができて、神経を取って、根っこの治療をし、型取りをして、やっと被せ物が入った!治療が終わったーっ!!と思いますよね。

被せ物を入れたらここからが本番です。被せ物を入れたはむし歯にならないわけではありません。残念ながら、被せ物をしても根っこからむし歯になることがあるのです。

そもそも、被せ物、差し歯と言い方がありますが、構造は同じです。前歯のあたりの被せ物を差し歯とおっしゃる方が多い気がします。奥歯の根元まで被せている銀歯などの被せ物も、実は差し歯です。差し歯は、大きなむし歯(C2C3など)で、神経を取る治療をし、根っこの中を綺麗にします。つまり、歯の頭はなくなってしまいますが、歯の根っこは残っていて、神経を取ったあとは神経の代わりになる材料を根っこの中に詰めて、そのあと土台をたてます。土台を型取りして、最後に被せ物が入ります。奥歯であれば、保険診療では審美性が劣りますが、銀歯(最近は、条件を満たしていれば保険診療でも白い被せ物が可能)、前歯であれば、硬質レジン前装冠といって、奥歯と同じ銀歯に、前から見える部分にだけ、レジンの白い材料を付け足したものになります。(こちらも条件を満たしていれば保険診療で裏も白い被せ物が可能)

被せ物・差し歯は、歯の根っこが残っているからこそ行える治療です。

被せ物を入れたとき、歯と歯ぐきの境目あたりに、被せ物の縁を合わせて作るので、最初は、歯の根っこは見えていないことも多いです。

しかし、経年変化や歯周病により、歯ぐきが下がってくると、被せ物と歯の根っこの境目が露出してきてしまいます。

そうすると大変です!しっかり磨いておかないと、この境目からむし歯ができます。

そして、進行性の場合、どんどん被せ物の中へむし歯が広がり、場合よっては、歯の根っこが黒くなってきたり、臭いがしたり、歯がグラグラしたり、最悪の場合、折れてしまう可能性もあります。

何より、差し歯や被せ物の一番のデメリットは、むし歯の進行に気づくのが遅れることです。なぜかというと、神経を取っているため、むし歯が進行しても、痛みが出ないので気づくことができない可能性が高いです。

むし歯が見つかったときには、土台の周りにすっかり穴があいて、根っこのむし歯が広がっていて、抜かなくてはいけない状態になるかもしれません。
また、レントゲン写真を取っていても、差し歯や被せ物は、白く写ってしまい、むし歯の発見が難しい場合もあります。少し写る根元の影に気づいて先生に確認してもらい、早期に治療をすれば歯を残すことができるかもしれません。

手遅れにならないよう、しっかり定期検診を受けて、12年に1度レントゲン写真を撮影して経過を見ていく必要があります。

何か気になることがあれば、ご相談ください。