こんにちは。大郷町歯科医院の橋本です。
今日は、また癖のある話をしようかと思います。皆さんも、歯科医院でレントゲン撮影時に防護服を着た事があるかもしれません。着た事が無くても、存在は知っているかと思います。
実は、防護服の必要性については賛否両論あります。
先に私の個人的な意見を述べさせて頂きますと…歯科のレントゲン撮影において、防護服は必要なし!!
実は、被爆線量自体は微量なので身体に影響は全くない事は、歯科医師であれば誰でも知っています。被爆線量等の詳しい話は後ほど記載しますが、問題はそこでは無いのです。
防護服は必要だと言う先生方も沢山いらっしゃるわけですが、被爆線量が心配だから防護服は必要だと言う先生は恐らく…殆どいらっしゃらないはずです。
では、必要だと言う先生方は何故そのような事を言うのか?
防護服を着せる行為は、患者さんを安心させるという大きな意味合いがあるのです。
その言い分は良く理解しています。
…それを踏まえて、私は自信を持って防護服の必要はない!と思っています。
私は、レントゲン撮影時に防護服を着せる事は患者さんを安心させるのと同時に、防護服を着ないと危険だ!という、誤った知識を伝播させてしまう事になると確信しているからです。
なので、私は患者さんに被爆線量の話をしっかり説明した上で防護服を着せるべきでは無いと思っています。
あくまで、私は…です。
結局、防護服の必要性については
…正解は無いと思います。
反対派の先生方が賛成派の先生方を非難する事も、賛成派の先生方が反対派の先生方を非難する事もお互いあってはならないと思っています。
では、最後になりますが…具体的な被爆線量の話をしておきます。
歯科用CT : 0.1mSv / 1枚
小さいレントゲン(デンタル) : 0.01mSv / 1枚
大きいレントゲン(パノラマ) : 0.03mSv / 1枚
歯科では主にこの3種類が用いられます。
では、その他の被爆線量と比較してみましょう。
胸部レントゲン:0.05mSv / 1枚
胸部断層撮影(CT):6.9mSv / 1回
1人辺りの年間自然被爆量(世界平均):2.4mSv
1人辺りの年間自然被爆量(日本平均):1.5mSv
飛行機(東京〜ニューヨーク間往復):0.19mSv
ちなみに、200mSv以下(短期間のうちに)の被爆量では臨床症状は今のところ確認されていないそうです。
…一応、お気づきの方も居るかもしれないので、記載しておきますが歯科用のレントゲンは頭頸部に向けて照射します。放射線はおよそ直線方向に進みますので、防護服の意味は…大体分かって頂けると思います。(極めて微弱な散乱線で胸部腹部を被爆する可能性はありますが防護服の遮断効果は20%程度と言われています。)
これ以上は、言いませんが…そもそも、逆に微弱な放射線は健康や美容に良いと言われています。健康に良いと言われているラドン温泉もこの効果を利用しているのですね。