歯周病と喫煙・糖尿病の関係性について

 

こんにちは!大郷町歯科医院、歯科助手の大杉です。

今回は、歯周病と喫煙・糖尿病の関係性についてお話ししたいと思います。

 

歯周病は中高年の病気だと考えている方も多いですが、それは間違いです。

 

歯周病は、歯周ポケットの中にプラーク(歯垢)や歯石が溜まって深くなり、中で炎症が起きた状態です。

そして、歯の喪失は歯周病が主な原因です。

 

歯周病は生活習慣が大きく関係した病気です。現在、歯周病との因果関係がはっきり分かっているものの内、今回は喫煙と糖尿病についてお話し致します。

 

  • 喫煙

歯周病の最大の増悪因子はタバコです。タバコが体に良くないことは誰でもご存知かと思いますが、多くの人はタバコの害を甘く見ています。喫煙者とそうでない人では、歯周病になる確率が4倍も違います。

 

タバコを吸うと、歯肉の血行が悪くなります。その結果、歯ぐきの細胞の傷を直すはたらきを悪くします。更に細菌の毒性を高め、体を守るはたらきや自己修復するはたらきを狂わせてしまうのです。

 

タバコは毛細血管への循環障害、免疫系への影響、歯周組織の細胞への影響、そして細菌への影響と多種多様な経路でマイナスの影響を与えられていると考えられています。

また、タバコを吸う人の直接吸う煙よりも、タバコから立ちのぼる煙(副流煙)の方が毒性が強いため、歯ぐきへの影響は家族にも現れます。

 

  • 糖尿病

糖尿病は、血糖値の高い状態が続くために全身の血管がもろくなり、抵抗力が落ちる病気です。

歯肉の血管も例外ではなく、糖尿病をもっている人は歯周病菌に侵されやすく、また重症化しやすいことが知られています。

 

理由はいくつも考えられ、

⑴糖尿病の人は好血球(白血球の1種)の能力が落ちる

⑵糖尿病の治療薬には白血球を減らす副作用がある

⑶血糖値が高くなると傷が治りにくくなる

⑷糖尿病の人は唾液が減少するため、傷の治りが遅くなる

などが挙げられます。

 

このため糖尿病の人の歯周病治療では、口の中を清潔に保つのと共に、血糖値のコントロールが欠かせません。また慢性的な歯肉の炎症(歯周病)が血糖値のコントロールを邪魔するといった具合に、歯周病の人は糖尿病のリスクもあるのです。

 

最近は、歯周病だと将来心臓病にかかるリスクが高くなるという研究報告も出てきています。歯周病は歯だけの問題ではなく、全身性の病気を悪化させる恐れもある病気なのです。

 

(参考文献 「新版 歯科 本音の治療がわかる本(熊谷崇・秋本秀俊 著)」

「きれいな歯をつくる 大人のためのデンタル・ブック(倉治ななえ 著)」