齲蝕(虫歯)予防に大切なこと 〜前編〜

こんにちは。大郷町歯科医院の橋本です。

今日は、齲蝕(虫歯)予防について話していきたいと思います。

昔から、「歯磨きをしないと虫歯になるよ!」なんて、言われてきた記憶が皆さんにはあると思います。また、自分の子供に対しても同じような事を言った事があるかと思います。日本の方々は真面目で、実は世界一歯磨きをよくしているらしいです。でも、日本は虫歯がかなり多いんですね。

虫歯予防には歯磨き!…実は…それ、根拠が無いんですね。齲蝕(虫歯)予防には歯磨きはかなり効果が薄いと言われています。世界保健機構(WHO)の齲蝕(虫歯)予防ランキングでは、勿論ランク外でした。

1985年に国際歯科連盟(FDI)と世界保健機構(WHO)の共同作業班の報告書のなかで日本の歯科保険の世界での地位を以下のように報告しています。

「日本の砂糖消費量は先進国の中では最も少ない。歯科医師は人口2000人に対して歯科医師一人と充足した状態であり、優れた歯科医師サービスが提供されている。さらに、保健所では妊婦、母子、幼児を対象とした歯科保険指導やむし歯予防サービスが行われている。しかし、他の先進諸国と比較したとき、日本の歯科医療にはもっとも重要なものが欠けている。それはフッ素(フッ化物)の利用である」

そうなんです。齲蝕(虫歯)予防に重要なのは歯磨きではなくフッ化物なんです。

今の歯磨き粉には、フッ化物が配合されている物が殆どかと思いますので、歯磨き粉をつけて歯磨きをすれば多少の効果はあるかと思います…。

「多少?って、どういうこと??」と思いましたか?

それは、歯磨き粉に含まれるフッ素濃度(最近、上限が上がったようです)が一つ目の問題です。

もう一つ問題があって…おそらく、歯磨きの後、皆さんはうがいをされますよね?元々、濃度が薄いのに、すぐにうがいして流しては効果が薄くなるのです。

ちなみに、ランキング1位は水道水フッ化物添加で…WHOは「適切な量の水道水フッ化物添加は、虫歯の予防に多大な利益がある」と述べています。

しかし、お分かりの通り、そのようなこと地方自治体の協力が無ければ無理ですよね。

では、我々は具体的にどのような対応をすれば齲蝕(虫歯)予防が出来るのか…

それは…それは…

後半に続きます!!

前半では、歯磨きは虫歯予防に効果が薄い事を散々記載してきましたが…

歯磨きは、必ずして下さいね!口腔内を清潔に保つ事という意味合いだけでなく、歯肉炎や歯周炎と歯磨きの相関関係は100%なのです!要は、虫歯予防効果は薄いが、歯肉炎や歯周炎の予防効果は極めて高いと言う事を最後に記載しておきます。